半兵衛

恐怖の時間の半兵衛のレビュー・感想・評価

恐怖の時間(1964年製作の映画)
3.3
加山雄三扮する刑事に恋人を射殺された山崎努が復讐のためニトログリセリンを持って刑事部屋に現れるが、肝心の加山は留守で山崎は彼が来るまで待つことにする…。

『サブウェイ・パニック』や『新幹線大爆破』など
、通常この手の映画は片や刑事、片や加害者となった二大俳優の丁々発止を楽しむのだが、加山雄三は刑事部屋での出来事を最後まで把握しないし、恋人(星由里子!)と食事したりなどと終始マイペース(一応女性を射殺したことは苦悩しているが)で行動し、山崎努の方は一人でハイテンションになって恋人を殺された恨み辛みを話したり、刑事たちと駆け引きしたりと二つのパートは接点が無いままどこまでも交わらず、それが「サスペンスとしてどうなの?」という気分にさせられてしまう。あとこの作品では通常は刑事側をピンチにさせる「加山雄三の恋人を呼び出す」という手が、事件解決のきっかけになってしまうというまさかの展開に。

刑事部屋での山崎努と志村喬、土屋嘉男、黒部進などのやりとりは緊張感があって良かったんだけどね、どうせなら小林哲子扮する頭の弱い娼婦が山崎努が持っていた拳銃を奪ってしまい、刑事や山崎努を困らせる展開を膨らませてほしかった気が。
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