オーウェン

リトル・チルドレンのオーウェンのレビュー・感想・評価

リトル・チルドレン(2006年製作の映画)
3.8
ほんのちょっと実生活を抜け出たような、そんな感覚を与えてくれる大人のためのドラマ。
しかし出てくる人間たちは大人になり切れない大人たちで溢れかえっている。

閑静な住宅街には夫の性癖に悩むサラと、妻が働き専業主婦に専念する夫のブラッド。
公園で出会った二人は密かな関係を持つ。
そんな時小児性愛者のロニーが服役を終えて街に戻ってきた。

シリアスな話ではあるが悲劇と喜劇はいつでも表裏一体である。
思わず笑みがこぼれるも、この先がどうなるかという興味を常に持たせる。
やはりトッド・フィールドの演出は群を抜いている。

出番は少ないもののジャッキー・アール・ヘイリーはその容姿だけでも危うさを醸し出し、その実は世間は翻弄されているだけという皮肉。
ラストに向かうにつれタイトルの意味が大きくなっていく。

最後のカットも所詮大人は子供と変わりないことを密かに教えているのかもしれない。
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