トランスジェンダーという言葉が定着してた今となっては性転換手術も珍しいことではなくなった。
ただし初のとなれば当然困難が待ち受けている。
アイナーとゲルダーの夫妻は両者とも画家だが、妻に比べて夫の画の売れ行きは芳しくない。
ある日妻がモデルにと夫に女装をさせることに。
そのときからアイナーは自身の女性たる部分を知ってしまう。
女性に目覚めるきっかけが妻だったというのも何かの縁なのか。
徐々に女性になっていくアイナーはリリーへと名前を変えて、女性に目覚めていく過程が描かれる。
最初はぎこちなかった仕草が、いつの間にか女性にすり替わる。
エディ・レッドメインが着飾ると笑いの対象ではなく、ちゃんとした女性に見える点は大いに評価できる。
ただし女性になりたいと願う夫を見守る妻という難役をこなすアリシア・ヴィキャンデルも出色。
手術をすれば夫は存在しなくなるという現実を受け入れる献身は並大抵のことではない。オスカーも納得だ。