大火事の猛威を前にして人間は限りなく無力。死ぬやつは前振りなく死ぬ。生き残れるかは運次第。非情さが新鮮で面白かった。スティーブ・マックイーンとポール・ニューマンは、細かい葛藤や対立を表に出さず淡々と己の仕事を真っ当するのみなのがカッコいいね。漢のドラマって感じだ。
『ポセイドン・アドベンチャー』でも思ったけど、大作映画ならではのハッタリ感って本当に素晴らしいですね。冒頭の空撮から始まり、大量の人間を引きで撮ってくれるだけで嬉しい群衆シーン、「高層ビルの構造って本当にそうなってるの？」と聞きたくなるけど絵的な面白さ優先でぶち込まれているマットペイント。チマチマしたリアリズムに囚われそうになったら今一度この映画の姿勢に立ち返るべきだ。
