この映画今じゃ企画の段階で絶対に通るはずがない。それほどの超問題作。
ストーリーそのものがまず凄い。
白人至上主義、人種差別、今なお問題となっている諸悪の根源が表現されている。
当時にも上映中止運動など社会問題になっていたという。
今作はアメリカの歴史を辿るという意味でも価値ある一作。KKKの存在であったり、黒人に対する扱い、描き方だったりめちゃくちゃだ。
一種の歴史物としてではなく、映画としてもしっかりと語り継がれているのは、やはり映像だ。今では当たり前となっている表現手法はこの映画が始まりとされていたりもする。cutback、montageなど様々な演出が駆使され残忍な映像が続く。
映画の歴史を辿るという観点からもこの映画はなくてはならない存在。
こんな最低な映画(ストーリー)が今なお誰の目にも触れられるような状況であるのはしっかりと伝えなければいけない事実があるから、過去を振り返らせるという意義もあるから。そして同時に近代映画の始まりをも目撃させる意図があるのでしょう。
このような伝説となる映画は数少ない。
面白いのは100年経った今でも映画は人種差別を程度はどうあれ描いた内容で溢れているということ。
このような問題を描いた作品がなくなる世界は、もっと平和なんだろうなと思ったりもしました。
