大切なものを守ろうとして、全てを壊してしまう男の話。
暴力ってこーゆーもんだよなと思った。自分のプライドとか、恋人とか、家とか、資産とかそういうもの全てを守ろうと頑張ってたら、いつの間にか、人を殺してしまっていて後戻りできないところまで来てしまうというような感じ。
自分の考えを増幅させて行動に移してしまうのが人間だと私は思っているのだが、その通りの映画だった。
守りたい人を守るために、暴力を正当化していたはずなのに、最後には守りたい人に、殺人をさせてしまう。
守りたかったはずの人の心を、殺してしまったも同然だ。
少しの暴力は果てし無く増幅し、身の回りの人を傷つけてしまうくらいに暴走するのだ。
のどかな田舎の家が血みどろの暴力に染まっていく様子は、冷たくて、人間臭くて、怖かった。