みゅうちょび

ジェラシーのみゅうちょびのレビュー・感想・評価

ジェラシー(1979年製作の映画)
3.8
「男が女に求めることは欲望を満たすこと。女が男に求めることは欲望を満たすこと」この極々単純とも思われる男女の関係は、互いが同調していることが大前提なのかな?
感情的で欲望に素直なミレナと慎重で何事をも分析し理解しようとするアレックスは常に微妙に心がすれ違っている。
何がこの2人をそこまで惹きつけ合うのか分からないが、それが男と女の妙というもの?

トム・ウェイツの曲をバックにオーストリア美術館でクリムトやココシュカの絵に魅入るミレナ…このオープニングでも映像とか音楽とかが凄くカッコいいのだが、中盤、キース・ジャレットのケルンコンサートがかかるシーンは、この曲があたかもこのシーンの為に即興演奏されているかのように、2人の心のすれ違いをスリリングに演出しています。ここだけでも観る価値ありです。

ミレナのように激しくて感情的な女との恋は男にとっては破滅的。破滅の形も色々ありますが、こんな終わり方って…

近づけば近づくほど遠くなるミレナを征服したいと願うアレックスの欲望が最悪の結末を招きます。

監督であるニコラス・ローグの実生活でのパートナーでもあったテレサ・ラッセル(ワイルドシングスで娘の教師と関係を持つエロいママ役)。若き日の彼女の魅力が存分に味わえる作品でもあります。
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