ツクヨミ

痴人の愛のツクヨミのレビュー・感想・評価

痴人の愛(1934年製作の映画)
4.0
アカデミー賞というシステムを激震させた狂気なる演技…
足に障害がある医師学生のケリーはカフェでウェイトレスのミルドレッドに一目惚れするが、彼女は一癖も二癖もあり…
ベティディヴィス出演ラブストーリーを背景にした人間ドラマ。今作は公開当時ベティディヴィスの演技が凄まじすぎて評判になったがアカデミー賞にノミネートされず、新聞や民衆からノミネートを望む声が続出し事件も発生したという背景があり気になって鑑賞しました。ベティディヴィスは主人公をたぶらかす食えない女性を演じており最初は変わった恋愛ものかなと感じましたが、終盤主人公ケリーとミルドレッドのケンカシーンが凄まじかった…溜まった鬱憤を全て吐き出すようなセリフを圧巻の表情と手振りで表現しており震えました。自分が人生の中でずっと心に残るような名演技とはこんな演技なのかもしれない。必見です。
ストーリー的にはくっついたり離れたり中々好きになった人を忘れられない主人公とそれを利用しいいように扱う女の関係性をうまく描いていました。またキャラクターを正面から撮ったカットが多いのも特徴的でしたね。
全体的にベティディヴィスの存在感と狂気なる演技が素晴らしかった。彼女がこの作品を転機に才能を開花させたのも納得です。
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