MasaichiYaguchi

映画 ひみつのアッコちゃんのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.4
私が小学生の頃、友達には言わないけれど、少女マンガのアニメ化作品を観ている男の子は結構いたと思う。
手塚治虫の「リボンの騎士」、横山光輝の「魔法使いサリー」、そして本作品の原作である赤塚不二夫の「ひみつのアッコちゃん」。
この映画は、原作誕生50周年記念作品。
本作を観ているうちに、原作の設定とか、キャラクター達とか、少しずつ思い出してきた。
ただ、本作は原作にはないオリジナルストーリーで展開していく。
小学校5年生の加賀美あつ子(アッコ)が、魔法のコンパクトで女子大生に変身しての騒動と活躍が描かれます。
映画に登場する魔法のコンパクトを見て、子供の頃、玩具として売られていた「アッコちゃんの魔法のコンパクト」を、クラスで仲の良い女の子に見せてもらったのを思い出した。
このコンパクト、原作やオリジナルアニメに登場する物を忠実に再現している。
魔法のコンパクトを使って、アッコちゃん演じる綾瀬はるかさんが様々に変身するのが楽しい!
綾瀬はるかファンの人は、彼女のコスプレを堪能してしまうと思う。
今回アッコちゃんは、或る切っ掛けで大手化粧品会社でアルバイトをすることになる。
この会社には、アッコが気になる社員・早瀬尚人がいる。
岡田将生くん演じる尚人は爽やかなイケメンで、仕事に対し熱い男である。
この尚人に引っ張られるようにアッコは、会社や仕事、そして恋という「大人の世界」を体験していく。
大人に変身しているとはいえ、中身は小学生のアッコと大人達との遣り取りが楽しい。
漫画が原作だから、おちゃらけた所とか、有り得ない展開とか、マンガチックな部分はあるけれど、アッコの子供らしい発想、純粋な心、真っ直ぐな思いが大人達の心の扉を開けていく展開に胸打たれる。
この大人の身体と、小学生の心を持つアッコちゃんを演じる綾瀬はるかさんが、持ち前の「天然ぶり」も発揮してキュート!
「おこちゃま映画」のような見掛けとは裏腹に、「なりたい自分になる為に、どうしたら良いか」という事を伝えてくれる本作は、これから社会人になる人、今、社会人で頑張っている人々にエールを送っている。
原作をリアルタイムで経験した世代には、本作のエンドロールで流れる楽曲で当時を懐かしんしまうと思う。