みおこし

メリンダとメリンダのみおこしのレビュー・感想・評価

メリンダとメリンダ(2004年製作の映画)
3.8
ウディ・アレン監督作。本作、個人的にすごくお気に入りの1本になりました!

とある劇作家が、人生とは喜劇か悲劇かと仲間に問いかける。彼らの議論は白熱し、メリンダという女性をテーマにして彼女に巻き起こる2つの運命について話しながら掘り下げることになる。

「人生は悲劇も喜劇にもなり得る」をコンセプトに、メリンダという一人の女性のラブストーリーを両面から捉えた1本。ラダ・ミッチェルがこのメリンダ役を”悲劇バージョン”と”喜劇バージョン”で演じ分けていてとにかく見事。どちらのメリンダもそれぞれ出会いがあって、思いがけない恋愛へと発展していくのですが、彼女を取り巻く役者さんたちもみんな演技派の渋い方々ばかりですごく良かったです。
映画って手掛ける人、演じる人によって瞬時に姿かたちを変えるものだなとつくづく感じるのですが、ひとつの物語も捉え方ひとつで悲劇にも喜劇にもなり得るって本当にすごいこと。メリンダが身の上話を涙ながらに語る様子には思わず目頭が熱くなるのに、同じ話を彼女があっけらかんと話していると笑ってしまう…。いかに人間は人の感情に左右されやすいかが良く分かって興味深かったです。1本の映画のはずなのに、2人のメリンダの未来が想像を超えた方向に飛躍していくから、複数の映画を堪能したかのような錯覚に鑑賞後に陥りました。

本作は、私たちに対しても「あなたの人生は喜劇?悲劇?」という問いかけをしてくれる1本。どう捉えるかは本人次第だけれども、本作の”喜劇”のメリンダのようにいつも笑顔でポジティブなオーラを放っていたら、自然と幸せもこちらに向かってくるのかなと教えてもらった気がします。
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