三樹夫

名探偵コナン 世紀末の魔術師の三樹夫のレビュー・感想・評価

3.6
キッド、灰原、服部、和葉、高木、中森などが劇場版初登場。最後はお決まりのように建物が炎上するもののアクションは珍しく抑えめでミステリーが多めではあるが、殺人のトリックの推理ではなくお宝探しの謎解きだったり暗号解読がメインとなっている。しかしそのミステリーもへだから7時20分だったり、90年代後半だったかに流れていた「掘ったイモ~」の空耳英会話CMを観て思いついただろう空耳ロシア語だったりでなんじゃそりゃとはなる。犯人の動機が先祖ラスプーチンの悲願と恨みを晴らすという、これもまた劇場版の中でもわりかしなんじゃそりゃとなる動機になっている。
塩沢兼人期の白鳥刑事は塩沢兼人のねっとりミステリアスボイスを活かした怪しいキャラとして機能するが、今作でも1作目から2年ぶりに怪しいキャラとして活躍している。この後も塩沢兼人白鳥は「Need not to know」がある。高木が右目近くにバンドエイドしているのは、あれこれキッドの変装なんじゃねという一応ミスリードになっているが、そんなこと思った奴はいたのだろうか。
阿笠博士が出すゴミみたいなクイズがここから始まるが、一応クイズ自体は1作目は森谷帝二が出しており、2作目では光彦が出していて、出題者が違うものの1作目から連綿とは続いている。

「飛び続けるのに疲れて羽を休めていた、ただの魔法使いですよ」「レディースアンジェントルメーン」「さあショーの始まりだぜ」とキッドが出てきたことでキザ台詞のオンパレードとなっているというか、キザ台詞を吐いてるの全部キッドやん。私の中で『コナン』のキザ台詞はくりぃむ上田のブッコミと同じカテゴリーにあるので、キザ台詞言ってくれるのを心待ちにはしている。
服部と和葉が劇場版初登場ながらも何とか出したという感じにあまり活躍もなく、しかもフェードアウトする。服部の大阪弁に関しては日本中で誰一人としてリアル大阪弁とは思わない超絶フィクション大阪弁であり、そんなワード使わんぞというワードチョイスも間違っているし、訛り過ぎだし、高校生の使う大阪弁じゃないしで、無茶苦茶な大阪弁であるが声優の堀川りょうが大阪出身なのでイントネーション自体はあっている。ちなみに堀川りょうが演じた関西弁キャラの中では『GS美神』の横島が一番リアルというか、アニメや漫画の中でも横島の関西弁は上位にくるレベルでリアル。というのも関西弁キャラは一言一句すべて関西弁ぐらいの勢いで何故か訛り過ぎなので、横島ぐらいのたまに関西弁が出てくるぐらいの方がむしろリアル(実際の関西人は横島よりも訛ってはいるが、会話の中の標準語割合は結構ある)。『GS美神』は作者の椎名高志が大阪出身なのもあるのだろう。服部の大阪弁は無茶苦茶大阪弁なのが周知の事実過ぎて大阪弁警察からもあまり言われないという謎のポジションを確立している。「バーロー」と同じく「せやかて工藤」を皆欲しているのだろう。「せやかて工藤」は原作では一回も出てきたことないらしいが。
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