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TIME/タイムのcocoaのネタバレレビュー・内容・結末

TIME/タイム(2011年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

文字通り「タイム・イズ・マネー」の世界。
コーヒーの代金が4分とか、道端に時間切れが転がっていても誰も気にしないとか、そういうものなのだとスルッと理解できる理不尽な世界観は好みです。ただ、余命が通貨になっているという設定ならではの展開があまりなく、面白かったと思えないまま終わってしまいました。

遺伝子操作して余命をやりとりできるような近未来の割に、時間=お金である点以外は現代とそう変わらない印象なのも一因かなと思います。超お金持ちのワイスが普通の液晶テレビ(サイズも特に大きくない)でニュース見てたのがなんだか合わなくって気になりました。「富裕層は走らない」のにウィルに連れ出されたシルビアがよろけもせずピンヒールでダッシュしてるとことか、急に余命30分になってもパニックにならないとか、細かいところで世界設定が詰まってない感じがしました。

銀行のセキュリティがガバガバすぎるし、指名手配されてるのに一向に捕まらない。どのエリアにどれくらい時間が存在するかリアルタイムで把握できるなら、誰が何時間持ってどこにいるってとこまでわかりそうなものですけど。余命を通貨にするような世界に個人追跡しないなんて人権配慮があるとは思えないし。

結局ウィルは各地の銀行を襲って、時間を貧困層にばらまくだけなんですね。義賊みたいなものだとはわかりますが、根本的なシステムを変えられない限り、ワイスの言うとおりせいぜい二世代くらいしか続かない…
作中、ハミルトン以外で時間切れになったり普通に殺されたのは貧困層だけ。どうあがいても貧富の差は変えられないよねって話を描きたかったのでしょうか。監視官のウッカリ死とか、父親は何だったんだっけ?とか、モヤモヤしたままです。
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