あでゆ

エンター・ザ・ボイドのあでゆのレビュー・感想・評価

エンター・ザ・ボイド(2009年製作の映画)
1.4
東京にやって来たオスカーとリンダの兄妹。しかし、麻薬ディーラーのオスカーは警察に追われ、銃で撃たれてしまう。オスカーの魂は体から離脱し、愛するリンダを追いながら、東京の夜の街をさまよい始める。

イカれたOPからの瞬きが実装されたFPS視点で始まる本作。ふらついてるのでちゃんと見てると酔うなとか思ってたら、幽体離脱からの三人称視点へ、という一連の流れは面白い。最初にヤクキメてイクシーンはなんとなく『2001年 宇宙の旅』のスターゲイトシーンなんかを思い出す。

トリップムービーというか、麻薬でどんどんイカれていく系の映画だと思っていたらめちゃくちゃ宗教的な映画だったのは意外だった。映像的には結構複雑なことがおきてるんだけど、ただ起きている全てのことが起こる前に事前にわかりやすく口頭で説明されているのでとても不親切なようにみえて実はとても親切で丁寧な映画。
例えば階段で降りるシーンでは死んだときに自分の身に何が起きるのか、輪廻転生とは何かということが語られるし、走馬灯の冒頭には死んだとしても妹を守るために帰ってくると言ったような台詞でしっかりと説明されている。

ただストーリーは割と一本調子で、後半からはずっとやってることが変わらなかったのと、言ってもそんなに中身が無いのでめちゃめちゃダレてあんまりおもしろくなかった。もうちょっと後半に向けた驚きみたいなものは欲しかった。ぶっちゃけ前述の通り最初にオチまで全部宗教ジャンキーが教えてくれるので、オチもわかってるしな。

何気に撮影技術とかも面白くて、最初の鏡はどうやってんだよとか、ああ瞬きでカットつないでるのかとか、ドローンめっちゃ飛ばすしVFXの使い方工夫されてんなとか、撮り方をいろいろ考えるのも面白い映画。
とはいえ画面はホント見づらくて、直視したくない場面が多かった。ポケモンショック怖すぎるし、これ劇場で見たらマジで地獄だったろうな。
あでゆ

あでゆ