えりみ

われに撃つ用意あり READY TO SHOOTのえりみのレビュー・感想・評価

3.8
WOWOWで原田芳雄特集。
1990年の歌舞伎町。
まだ私が知らない時代の町、ヤバそうな匂いがします。
若松監督監督デス、ハードボイルドの中に左翼の匂いがします。
中年になった全共闘世代が主役です。この世代の知り合いがいないので「TVや映画の世界の話」ってイメージです。
劇中に差し込まれるモノクロ映像は、70年安保・沖縄闘争の記録映画「怒りをうたえ」だそうです。もしかしてこれを使いたかっただけ?

オーバーオール着て渋いアウトローなキャラ(゚o゚*)を演じられるのは
原田芳雄だけじゃないでしょうか。黄色のTシャツにオーバーオールですよ、モッズコート羽織ったら一気にそれらしくなったけど。
相棒は桃井かおりで、子分が松田ケイジ(懐かしい~、全然みぃへんようになったけど)。
ヒロインは酒井法子と桜井幸子を足して二で割ったような別嬪アジア女優、片言の日本語がかわいらしいです。
ボートピープルって言葉知ったのはこの頃かな。
この時代で「朝鮮やくざが~」なんて台詞が出てくるとは。
このへんから不良外国人が沢山入り込んできたのかしら。
「不夜城」はもう少し後よね。

オール現地ロケっぽいのはええけど、やたら多用されるスローモーションとか原田芳雄と桃井かおりがコマ劇前までだらだらブラブラしたりと何だか無駄が多い。
原田芳雄が歌う挿入歌「魂の1/2」まではええとしても、エンディングまで歌わせるのも余計やし。
この映画で石橋蓮司が日本アカデミー賞助演男優賞を受賞しているとか…
アル中で熱狂的な巨人ファンの新聞配達員というほぼ出オチキャラで、いうほど本筋に絡んでませんでしたけど(-_-;)
どうせなら歌舞伎町交番勤務上がりのマル暴デカ、蟹江敬三に賞をあげてほしかった。
えりみ

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