ニシ

驟雨のニシのレビュー・感想・評価

驟雨(1956年製作の映画)
4.1
しっかりとした自然な演技を律儀につけてそれをカットごとに割っていきシーンを完結させるのは立派だと思うけれども、それがどうしても単なる会話劇をダレさせないためのアクセントとでしか作用していない。私はもっと大いなるハッタリを映画に求めている。画面は映画の奴隷になってはいけない。

家屋間を土足で行き来する犬は得てして近所から忌み嫌われてしまい、お隣さん同士が交流を持ち集会をさせてしまう存在になってしまう。それが一転してエンディングで画一的なカットになって行く。

成瀬は社会を物質的にしてしまう屋上が好きで、この映画では靴元への寄りが人物をその場所に縛り付けてしまうブレッソン的な使い方をしていた。
ニシ

ニシ