さめまる

七人の侍のさめまるのネタバレレビュー・内容・結末

七人の侍(1954年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

侍が集まるシーンが熱い。七郎次、五郎兵の参戦する時にすでにじわっと来るものがある。

菊千代の、勝四郎に褒めてもらった久蔵が羨ましくて手柄を立てようとする無邪気さがなんとも言えない微笑ましさを出していて、よい。
馬を扱えなくて転ぶシーンなど、菊千代の出てくる場面は、ピンと張った緊張を綻ばせてくれる。
その菊千代の殺される場面は、可笑しな死に方ではなく、種子島を持っている大将を、打たれながらもジリジリと追い詰めトドメを刺す、というお調子者の菊千代とは思えないほどシリアスなシーンで幕を閉じる。そのギャップからも、主人公が死ぬということも、衝撃だった。

百姓たちが雨の中泥沼で滑るシーンは演出なのか、本当に滑っているのかわからない。
それぐらい慣れていない戦闘に必死に立ち向かう様子がささる。
百姓達の侍を頼る情けない表情や、下品な話に対して笑う姿は演技に見えないほどであった。
一人一人の表情がしっかり見えるのがよい。
こんなに長い作品であるのに、時間を気にすることがなかった初めての映画だった。


「百姓というケダモノを作ったのは侍」菊千代の叫ぶシーンは圧巻だが、音割れしていてよく聞こえない。
以下自分用コピペ

はっはっは・・・こいつぁいいや!
やい!お前たち!一体百姓を何だと思ってたんだ?仏様だとでも思ってたか?ん?
笑わせちゃいけねえや!百姓くらい悪ずれした生き物はねえんだぜ!
米出せっちゃ無え!麦出せっちゃ無え!何もかも無えっつんだ!ふん!ところがあるんだ。何だってあるんだ。
床下ひっぺがして掘ってみな!そこになかったら納屋の隅だ!出てくる出てくる・・・瓶に入った米!塩!豆!酒!山と山の間に行ってみろ!そこには隠し田だ!正直ヅラしてペコペコ頭下げて嘘をつく!何でもごまかす!どっかに戦でもありゃあすぐ竹槍つくって落ち武者狩りだ!
よく聞きな!百姓ってのはな、けちんぼで、ずるくて、泣き虫で、意地悪で、間抜けで、人殺しだ!ちきしょう!おかしくって涙が出らあ!
だがな、そんな「けだもの」をつくったの、一体誰だ?  お前たちだよ!侍だってんだよ!馬鹿野郎!
戦の度に村を焼く!田畑踏ん潰す!食い物は取り上げる!人夫人にコキ使う!女は犯す!手向かや殺す!
一体百姓はどうすりゃあいいんだ!百姓はどうすりゃあいいんだ、百姓は・・・
ちきしょう・・・・ちきしょう・・・!
さめまる

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