さとう

ベスト・キッドのさとうのレビュー・感想・評価

ベスト・キッド(2010年製作の映画)
2.6
〈まとめ〉中国の様々な景色を堪能したくて、「武力のあり方」や「キャラクターのバックグラウンド」をあまり気にせず、単純に武術の戦闘シーンを楽しみたい方は、「ベスト・キッド」おすすめです。

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 景色が綺麗ですね。デトロイトから引っ越す時や中国の様々な景色を観ることができて楽しかったですね。ジャッキーチェンさんの渋い演技や、スミスくんのユーモアのある演技も観てて楽しかったですし、チョンくんのいじめっ子演技もキレッキレで面白かったです。
 しかし、元も子もないことを言ってしまうと、僕は暴力だけをメインにしている物語がどうも苦手らしく、物語的に刺さるものが全くなかったですね。主人公は、暴力を振るわれて、その恐怖心を克服するために、武力を身につけます。序盤に、ジャッキーさんが、武力を使わずに相手の力だけで、敵を倒していて、「武力は護身のためのもの」という「力の正しい使い方」が示されていたのに、最後チョンくんに強力な踵蹴りをかまして倒していて、結局暴力で解決している辺りが、複雑な気持ちでした。
 敵のチョンくんや、その師範が、めちゃくそ嫌なキャラなのですが、その嫌な性格がどうして生まれて、どうして暴力に頼る様になったのか、どうして情けをかけないという方針が生まれたのか、全く説明してもらえないですし、ジャッキーさんと師範の間で何かありそうですが、その辺も説明してもらえないです。
 もっと言うと、ジャッキーさんは、序盤で「武力で敵を倒さない」「武術を誰にも教えない」というスタンスをとっているのですが、中盤で分かるジャッキーさんの暗い過去を聞いても、それがなぜそのスタンスに繋がったのか、僕には理解できませんでした。
 僕は、映画の中でなるべく親切に説明をしてくれる方が、観ていて楽しめるので、その辺のキャラクターの過去などを丁寧に描いてくれると嬉しかったですね。
 中国の様々な景色を堪能したくて、「武力のあり方」や「キャラクターのバックグラウンド」をあまり気にせず、単純に武術の戦闘シーンを楽しみたい方は、「ベスト・キッド」おすすめです。
ありがとうございました。

'23年12作目
さとう

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