チッコーネ

不死鳥のチッコーネのレビュー・感想・評価

不死鳥(1947年製作の映画)
3.0
撮影当時、絹代が38歳で佐田啓二が21歳。20歳近い年齢差のあるふたりをカップルとして配置することに、かなり無理がある。
ダブつきかけた顎におさげ髪を提げ、小首を傾げながら可憐に微笑もうとする絹代の目尻に刻まれる小皺が、ツライ。「これは公開イジメかしら、それとも絹代のゴリ押しかしら…」と思っていたのだが、クライマックスは大迫力!
この時代に、日本人女性が感情を暴発させるのはかなり難しかったはずだから、本作は大衆を先導する『映画』として、正しく機能している。
木下監督が「絹代こそ適任」と確信してキャスティングしたのだと、納得。その他のシーンがあまりに退屈で寝落ちしかけたのも、許せた。