春21号

ヌードの夜の春21号のレビュー・感想・評価

ヌードの夜(1993年製作の映画)
4.7
大好きかもしれない

タイトルで完全に敬遠してた作品でしたが本当に面白かったです。
たしかにエロい要素はあるのですがタイトルにつけちゃう程のエロさはなかったと思います。
もう本当にタイトルに引っ張られすぎてキャバ嬢とか風俗嬢の話かと思っていましたから笑

はい、内容はそれでも結構ヘビーなのですがこの90年代邦画ノワールの乾いた感じがたまらなくて個人的にはいつまでも観てたくなる秀逸な一品でした。
絵がとにかく素晴らしい
個人的に80年代半ばから2000年代初期の邦画のフィルムっぽさが好きってのもあるのですが本作はそんな作品群の中でもピカイチに絵作りに優れています。
お金がかかっていないのは丸分かりなぐらい工夫工夫の連続なのですがそれでも一度見たら忘れられない美しい絵の連続でうっとりさせられました。
まぁGoninの時も素晴らしかったですがあの乾いた東京描写が本当凄まじくかっこいいんですね
スクリーンに映る日本はこうあって欲しいですね 本当に
そこに本作はGoninの時には無かった独特の浮遊感といいますか地に足つかないあの世のような気持ちいいビジョンがあってドンピシャでした。

こう言う病んだ作品が大好物なんですね
最初に大好きと書きましたがそれだけでは収まらない何かこう取り憑かれたみたいになる感じがあるんですね
今ベラベラ言っちゃってますけど他人に軽々しく好きって言えない特別な下卑た感情といいますか なんというか本当に観た後は引きずってしばらく困ってしまうんですけど、うーん弱ってしまうなー、うーん

多分、これから観続ける作品だと思います。
夢のシーンとか暴れる椎名桔平とか本当悪夢的な場面が多くて人を選ぶ作品なのは間違いないのですが本当にハマれば抜け出せなくなる劇薬的作品なので1度観て観てはいかがでしょうか?
多分レンタルとかセルとかあまり出回ってなさそうですが機会があれば是非
あ!今ならAbemaで1週間限定ですが観ることができますよ!是非是非
春21号

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