イワシ

早春のイワシのレビュー・感想・評価

早春(1956年製作の映画)
4.6
淡島千景が池部良の服を脱がせたり、畳の上の服を拾ってハンガーにかけたり、米を研いだり、食卓に皿を並べたりする家事労働の数々がアクション繋ぎで演出され、なんだがとても傑作なアメリカの活劇映画を観ているような気分になった。拳銃を持たせたらジョン・フォードになるんじゃない?

池部良が岸惠子と夜を過ごして帰宅したあと、二階で服を着替える夫を立ったまま見つめる淡島千景の身体を影が覆うのだが、これがとても変。首から下は影で真っ黒なのに、顔のところだけが白く光ってる。

池部良が仕事をしている部屋のドアのガラス部に「738」と書かれているんだけど、カメラが部屋の外の廊下を映すと、縦の構図の奥に「739」の部屋があって、そこにむかってカメラがズームするというのが(おそらく)二回ある。あれが謎。
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