たむ

詩人の血のたむのレビュー・感想・評価

詩人の血(1930年製作の映画)
4.0
ジャン・コクトー映画祭開幕。
なんという素晴らしい企画…。
デジタルレストアされたジャン・コクトー監督の映画をスクリーンで鑑賞出来るとは!

本作はジャン・コクトー監督のデビュー作品で『アンダルシアの犬』と並ぶアヴァンギャルド映画の代表作です。
トーキー映画ですが、手法はサイレント映画の作り方です。
詩人でもあるジャン・コクトー監督のイメージを視覚的、聴覚的に表現していきます。
物語的な整合性や繋がりのようなものを意識するとわけが分からなくなるので、精神分析的なイメージに身を委ねる映画になっています。
倒れる塔の強烈なインパクト。
死のイメージや全体の構成は『オルフェ』に直接繋がります。
今観ても強烈なイメージは古くはなっておらず、多くの映画作家のオリジナルを観るような衝撃もあります。
『テネット』を先取ったような逆行もありますし、インスピレーションを与える映画ですね。
たむ

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