kazマックスグローバーレッド

狼たちの絆のkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

狼たちの絆(1991年製作の映画)
3.5
古城に忍び込み絵画を盗むチョウ・ユンファとレスリー・チャン。グラスに注いだワイン越しに部屋を覗くと赤外線センサーが見える。銃で撃たれた傷口にほぐしたタバコの葉を詰める民間療法。ウソかホントか分からない描写の数々。

2人の男と1人の女の恋と友情物語。『明日に向って撃て』みたいな映画を作りたかったのであろうジョン・ウー監督は昔のフランス映画も好きだからアラン・ドロン主演の『冒険者たち』もやりたかったんでしょうね。絵画を盗む怪盗映画からドンパチが始まって過激な香港ノワールになるかと思いきや いつの間にかコメディになっちゃったよ。

ジョン・ウー監督が笑わせようとして作った『アーメン・オーメン・カンフーメン』という ふざけた邦題のオカルトコメディがあって、そちらのほうはまだ未見なんだけど予告編を見る限りどうもスベってるように見えるんです。やっぱりウー先生はシリアスな映画のほうが笑えるのよね。キン・フー監督に続き「笑わせるんじゃねぇ、笑われるんだよ!」的映画が似合ってます。


銃撃戦の最中に敵から奪ったバイクに股がるレスリー・チャンは転がっているフルフェイスヘルメットをわざわざ拾ってしっかり装着。近年テレビドラマで逃走犯がちゃんとシートベルト着用してから運転するコンプライアンス的な演出ではなく、単にこれから始まるバイクアクションのスタントマン顔隠しヘルメット。こんなシーンがいつものジョン・ウー演出なのかそれともコメディとして狙ってるのか、この作品がコメディ映画だけに段々と分からなくなってきます。


レスリー・チャンが名画を発見した時には『フェイスオフ』の賛美歌が使われていた。彼が歌う主題歌は日本歌謡のカバー曲で、確か百恵ちゃんが引退の時にマイク置いてた曲だな、世代じゃないけどそれくらいは知っています。因みにこの映画の前年の『男たちの挽歌3』ではやはり日本歌謡曲「夕焼けの歌」がカバーされてました。まぁあれは主演アニタ・ムイの当時の恋人が近藤真彦だったからでしょうね。