好きが詰まった映画
フランチェスカになりたい
さっとまとめた髪型、後れ毛、少し跡がついた長い髪
ワンピース、健康なふくらはぎのかたち
白シャツにデニム、小ぶりの輪っかピアス
ウエディングドレスのように大事なドレス
死後に初めて身につける娘の思い
老いた時の銀髪の内巻きボブ、大きな眼鏡、ゆったりと着たニット、ブレスレット
花柄の壁紙に、黄色のダイニング
同じ場所で時が切り替わる
あの四日間の一秒一秒が、その場所に染み込んでいる
初めてロバートと出会ったときの、自然なぎこちなさ、これから何か始まる予感のする空気感
キスするまでの淡く、濃い時間
心音が聞こえそうな距離で踊る、ワルツ
終わりに向かうとともに湧き上がる激情
「一度だけ言う。この愛は生涯に一度の確かな愛だ。」
この言葉を最後に家を走り去るロバート
数日後、夫との外出時、前を走るロバートの最後の賭け
ミラーにフランチェスカのネックレスを掛ける
ロバートは左折し、二人は二度と会うことはない
フランチェスカが言っていたように、
一緒になればきっとあの四日間の特別な思いは忘れてしまうかもしれない
一緒にならなかったから永遠に、死ぬまでロマンチックな時間のままだった
家族のことも大切にできた
そういうものが人生を輝かせると思う
星の王子様の、どこかに水を隠した砂漠のように