一線を超えた恋の映画。
この場合の一線とは、浮気ではなく、愛の深さという意味。
ラストの雨の中立ちすくむイーストウッド。
大きな声で叫ぶわけでも、取り乱すわけでもなく、少しだけ微笑む。
彼女の家を出てから街で過ごした2日間、ただ待つしかない優しい彼を想像するだけでも切ないが、あえて描写せず、笑顔だけで表現した映画としての美しさ。
叶わないからこそ美化される思い出たちを、まるで後遺症のように引きずった互いの半生。
せめて死後一緒になりたいと願う2人。
遺品を贈ることで証明された愛し続けた時間。
とても切なくある意味苦しい人生だろうけど、こうゆう恋をしてみたい、こんな風に愛されたい、と思わずにはいられない。
イーストウッド恐るべし。