この映画に出てきたみんなの気持ちが、全部分かる。
すべてを手にしているようで、実際にはなんにも持ってない。
なんにも持ってないようで、しっかり大切な何かを持っている。
結局はみんなどこかに満たされない空洞を持っていて、空洞を埋める何かを探してるのだ。
風船で空洞は埋まるか。
埋まったとしても空っぽのまんまだ。
満たされたように感じながら、空っぽのまんま。
埋まらないのだ。
そのことを、この映画に出てきたみんなが抱えているんだと感じた。
そんで、その気持ちが、全部分かった。
「結局負けるんだよな、どんなに頑張っても。」
このセリフが自分には重たかった。
大切なのは、勝つことなのか。
頑張れるってことなのか。
何かを一直線に頑張れるって、眩しいくらい素晴らしい。
誰かに、何かに勝つってことにも、ひたすら憧れる。
どっちもできない自分には、とにかくそのセリフが重たく、辛かった。