ぶんたん0123

桐島、部活やめるってよのぶんたん0123のレビュー・感想・評価

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)
5.0
ある出来事によって浮き彫りになるさまざまな高校生の複雑な人間関係がとてもリアルに恐ろしく描かれた群像劇。

同じ1日を登場人物ごとの違う視点から映す構成が面白く、観る人によって自己投影できるキャラクターが異なったり見え方や感じ方が変わりそう。自分は隕石を蹴飛ばされる前田たちの気持ちが痛いほど理解出来てしまい終盤のカタルシスに、エンドクレジットの主題歌にとても心震わされた。

本作には桐島という大きな存在によって他人に縋って形だけで生きているような中身の無い人間が大勢登場する。自分の好きなこと、希望になることをひたむきに打ち込む野球部のキャプテンや映画部たちの姿がとても眩しかった。

にしても映画部はずっと正論しか言ってないのに扱いが不憫すぎて可哀想。前田の映画に対する熱量と知識が面白いし自分自身、身近に映画の話ができる人がいないからすごく話してみたい。

原作では登場キャラクターのバックボーンをより深掘りすることが出来るのでそれを踏まえた上で改めて鑑賞するのもすごく面白い。

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