Rocco

桐島、部活やめるってよのRoccoのレビュー・感想・評価

桐島、部活やめるってよ(2012年製作の映画)
4.2
原作は未読。今回は2度めの鑑賞。

最初観た時はそこまで響かなかったけど、親世代として今回は泣けた。

失くして初めて判るものが沢山詰まってた。自分は共学じゃなかったから高校時代にこんなドラマも判りやすいカーストも無かったけれども、実際にこんなだったら勉強出来たかな、ホルモンは爆発してるし、今はSNSが入ってるからさらに気を遣う要素が多いわけで、高校生ってあらためてスゴイと思った。何かにすがりたい気持ち、すごく良く判る。

この作品が上手いなと思ったのは、ランダムに誰もが共感できる要素を出しつつ、解釈はゆだねている所。桐島のイメージも。屋上から見え隠れするところで、自死しそうな脆さを匂わせてるところ。東出はだいぶ年上だったと思うけど、最後のシーンも、大人や周囲から勝手にレッテルをはられ、それが自我と乖離していてどうしたらいいか判らない、みたいな混乱を上手く演じてた。

スクールカーストの記憶が生々しい若い世代には辛いのかも。ただ、単なるオタク勝利の話ではない。

フィジカルな意味で二度と取り戻せないピュアな時期を映像に残したという価値、10年以上経って、さすが残る人は残るというのが見えたのも一考でした。
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