ストックホルム国際映画祭で招待作品として選ばれ、光栄にもボランティアとして安藤政信さんをアテンドさせていただきました。
インタビューの通訳をしているときに記憶に残った彼の言葉を記録：
Q：バトル・ロワイアルもスマグラー（原作）も10年前。今でも通用する？
A：砧は仕事がない。今の日本にもまだ就職に困っている人は沢山いる。経済疲弊している。不安を抱えている人は多い。けれどもどん底にいても、前に踏み出していくことが大事だ、というのがこの映画のメッセージ。
Q：「バトル・ロワイアル」の桐山と「スマグラー」の背骨の違いは？
A：桐山は人を殺すときに感情が無い。マシーンのような存在。一方で背骨は生きるために人を殺している。情緒ある役にしたかった。優しさを持っているが、生きていくには殺すしか無いという悲しさを表現したかった。幼い頃からこの世界でしか生きていない。
もともと背骨は漫画の中でマシーンのようで感情が無かった。けどそれだと「バトル・ロワイアル」とかぶるから人間的にしたかった。死や暗闇に対する恐怖感を持っている。そんな愛するキャラである背骨に体温を与えたかったし、光を当てたかった。
今まで人を心から信用できなかった。けど砧の優しさに触れたことが彼を人間的にした。だから最後にお礼を言った。
