ピエロの"赤い鼻"は、哀しくて切ない思い出の鼻。
「クリクリのいた夏」の監督と、ジャック・ヴィルレとアンドレ・デュソリエがここでも共演です。
教師の父親ジャックは週末にピエロになり、皆んなを笑わせます。それが嫌で仕方がない息子に、ジャックの友人アンドレがピエロになった理由を語り始める。
ナチス占領下のフランスで...それは想像を絶する哀しい父親の過去だった。
「笑いは最高の武器だ」
彼らを戦争の死の恐怖から救ってくれたのが「笑い」だった。
監督は、戦争の悲惨さが一変してコメディになる演出をしたかったそうです。
若い頃の二人の、好きな女性に"いいところを見せたい"という幼稚でふざけた軽率な行動が無ければ、こんな事にはならなかったんじゃない...とムカムカした。
罪は一生消えることはない。
しかし、自分達の罪の告白をすることで救われた人がいる。そして許してもらえたことで、償いとしてあの恐怖から救ってくれた"笑い"を皆んなに伝えることが出来たのですね。
最後には心温まる感動の物語になるのだけど...個人的にはささりきれずでした。
他人の罪を許すことの難しさ。
努力してもあの未亡人のようにはなれないだろうな...いやならないといけないのか...