ぴがし

わたしを離さないでのぴがしのレビュー・感想・評価

わたしを離さないで(2010年製作の映画)
4.2
学生の頃、ラジオドラマで聞いたのをきっかけに原作を読んだはず…15年以上前なのではっきり覚えてないけど。その時はこの陰鬱な話しをシンプルに臓器提供のためのスケープゴートたる人たちの話と間に受けて読み取っていたように思う。
何年か前に原作者のカズオ・イシグロ氏がノーベル文学賞を受賞したが、その少し前に日本でドラマ化されていたのを見て「こんな話しやったっけ?」と訝しんでいたが、だいぶ話が捻じ曲げられていたんだねぇ。
今アラフォーとなってこの映画を初めて見たが、空気感は原作に随分と近いと思う。詳細をどのように変化させたり省略しているのかはもう正直記憶がないのでわからないけど、見終わった後の心がカサつ寂しさはきっと原作への忠実さに伴っていると思う。
人間は遅かれ早かれ死んで消える、そこまでの過程と,その間の自分の意識がいかに重要かをしみじみ感じさせられる話しだと思う。設定自体には穴はたくさんあるけど、これはフィクションだと,おとぎ話だとしっかり明言した上で幕が上るので妙なリアリティに惑わされることなく、視聴者側が受け入れないといけないんだろうな。(本を読む、という行為ではその過程が意識せずとも行われるか)
テーマが文学的なので映画として見ると分かりにくいところやミスリードしっぱなしのところが多いと思うけど、映画として見ても、アンドリュー・ガーフィールドと、キーラ・ナイトレイの若い頃の演技が見られるのは貴重ではないかな?特に,アンドリュー・ガーフィールドの演技は役柄によくあっててすごくいい、ナヨナヨ感がほんま腹立つ!そんなんだからアメスパは2作で終わったんやぞ!!って言いたくなる。
今度図書館行ったら原作借りてこよ〜
ぴがし

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