このレビューはネタバレを含みます
登場人物たちがとても魅力的。
夢を諦めてラーメンを作るだけの、堅実だけどつまらない人生を送ってきたと思われた優しい父親が、スープの秘密を教えるシーンはよかった!
カンフーにもラーメンにも、通じる何かがある。
そして父親には、息子に教えてやれることがあるのだ。
それから悪役、タイ・ランの心からの叫び。
師匠というより父のような存在だった老師に謝られたときの、ショックを受け戸惑う表情も素晴らしかった。
モンスターとこの人にだけは呼んでほしくなかったんだろう。
ラストでタイ・ランがどうなったのか、はっきりとは描かれない。
しかし劇中老師が「片付けが大変」と言っていた凄惨さはあの現場に見られなかったので、私はタイ・ランがきっと心を入れ替え、どこかで元気にしているのだと思うことにした。
同じような技だけど、あのぶよぶよなお腹で繰り出した技はもっと優しかったと信じたい。