Jeffrey

霧のJeffreyのレビュー・感想・評価

(1989年製作の映画)
2.5
「霧」

冒頭、1960年のイスタンブール。とあるブルジョワ一家。軍事クーデターの物音で目を覚ます幼き兄弟、目まぐるしい政変、多発する混乱の時代、軍人出身の祖父、真実、兄の殺害、外国脱出。今、すべての真相は黒い霧の中へ…本作はズルフュ・リヴァネリが監督、脚本、制作したトルコ映画で、スイスと合作して作られており、未だにVHSしかなくこの度購入して初鑑賞したが良かった。撮影はユルゲン・ユルゲス、音楽はズルフュ・リヴァネリとミキス・テオドラキスが担当しており、カオス化する時代の流れに翻弄されてゆくイスタンブールのインテリ一家の苦悩と悲しみをミステリアスに描いた人間ドラマである。



さて、物語は1960年イスタンブール。ブルジョワのアリ一家。幼い兄弟、ムラトとエロールが軍事クーデターの物音で目を覚ます。1978年。目まぐるしい政変、多発するクーデターの中で成人したムラトが銃弾に倒れた。兄と対立する左翼系セクトに身を置くエロールに疑いがかかる。苦悩する父親アリ。混乱の時代を嘆く軍人出身の祖父。真相を極めぬまま、弟を国外脱出させようとするアリ。しかしそこには官憲の手が迫る。果たしてエロールは本当に兄を殺したのか?真犯人は誰なのか?全ては黒い霧の中へ…と簡単に説明するとこんな感じで、ハードボイルド・タッチの社会派サスペンスである。この作品冒頭のシークエンスは色が抜かれたような感じのもの黒っぽい描写で始まる。この映画見事に劇場とかで見てたら寝落ちするタイプの映画。終始音楽がなく静かに展開されて、気がついたら寝てしまうような映画だ。自宅で鑑賞したからそんな事はなかったが、社会派サスペンスだからこんなものだろうと思うが、もう少しハラハラドキドキの展開を期待していた。
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