坐禅マニアのフリーターの私信

白夜の坐禅マニアのフリーターの私信のレビュー・感想・評価

白夜(1971年製作の映画)
5.0
静謐なのにエモーショナル。芸術として崇高すぎる。
人物を極限まで抽象化した先に、リアルな生が浮かび上がるという仕組み。テープレコーダーの機械的な反復が訴えかけてくるように。無駄なものをそぎおとした結果、肉体の官能と愛の情景がダイレクトに伝わる。それに音楽そのもののもつ生々しさが配置されてものすごい詩情を醸し出しちゃってる。ブレッソンのコントロール能力がヤバい。最も生々しいところでも愛が感傷主義に堕してなくて、美しい。「愛」そのものを語ろうとしてる。超越者の目線