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Kids Return キッズ・リターンのdonguriのネタバレレビュー・内容・結末

Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

楽しい毎日がこのまま続けばいいと思ってたけど、何者かにならないといけないのかな、みたいな気持ち。ボクシングというやりたいことが見つかったまーちゃんだけど、まーちゃんと一緒にいたくてなんとなく同じジムに通い始めたシンジに、ある日練習で打ち負かされて挫折。ヤクザの道へ。才能を買われたシンジは、やれることをやるだけ、徐々に上手くいく。期待する会長や、アウトローな先輩モロ師岡のどちらにもいい顔をしている、というほど器用なものではない、いつもどっちつかず、シンジが何を求めているかわからないが、とにかく打つ。安藤政信新人だったんだな、とてもよかった。結末は前向きなものなのか、それとも戻らない昔を懐かしんでいるのかどちらなんだろうと考えていたが、後に淀川長治がこの映画を語るのを観てとても腑に落ちた。「若者のなんとも知れんエネルギー、かたっぽボクサーなろ、かたっぽヤクザなろ、ふたり危ない危ない、それが虚しく終わっちゃったところにホッとした安心感がある、それでいてかわいそう、哀れ」という素晴らしい表現。
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