淀川長治や宮藤官九郎も絶賛している北野武のキッズリターン。
夢に挫折した若者ふたりが自転車に乗りながら「バカヤローまだ終わっちゃいねえよ」というラストシーンが有名です。
ひとりはボクシングチャンピオン、もうひとりはヤクザの親分を目指していく様子が描かれる。暴力的なフィールドではあるけれど、自分を見ているような怖さ、痛みを感じてしまう。
「強いやつはどっちにしろ強いんだよ」と酒を勧める先輩。才能のある若者をダメにしてしまうが、この大人も諦めきれない夢があるのだと思うと、憎めない。
そんな青春時代に、社会の残酷さを重ね合わせ、さまざまな人生を凝縮している。だから、共感してしまう。
漫才のセット裏からみせるオープニングも無駄がなく、その後に交錯するそれぞれのストーリーもよく考えられている。必ず挫折はあるがそれだけではなく、いい思いばかりをしようとする人間にはそれなりの人生が描かれる。
始終兄貴分にくっついていた金子賢が、ボクシングの試合で勝ったときの嬉しそうな表情がすごく好きです(^-^)