三島由紀夫の潮騒に出てくる人物の中でも,千代子の性格を好きになる人はあまりいないと思うけど,彼女の心情はとてもよくわかる.
「この島に帰ってくる時にはもっと謙虚な気持ちになりなさい」と父親の灯台長の>>続きを読む
離婚経験のある中年カップルの恋愛物語.60年代の早熟したパリの街とブラームスの交響曲がアクセントになっている.15歳年下の青年,長年交際している男性との間で気持ちが揺れ動くおばさんポーラ.羨ましい限り>>続きを読む
開始5分で首の断面を見せてくれる。ここで笑える人とは仲良くなれそうです。
愛する人と幸せになりたいと思う反面、些細な出来事から小さな疑惑が暴走してしまうことは確かにある。ありそうでない着眼点。
本作にはあらゆる豪華キャストが登場するが、どうしても理解できない"怒り"があっ>>続きを読む
本作の主人公も無口で硬派なタイプの機長ですが、テレビ出演時にメイクの女の子にサプライズ的に頬にキスされたり、ホテル滞在中、女性従業員に感激のあまりハグされたり。いくらなんでもそんなハーレムはないだろ。>>続きを読む
とてつもない量のパトカーがクラッシュし,空からネオナチの車が降ってくる.ジェームズブラウン,レイチャールズなども出演し,想像していた何百倍も豪華で,バカバカしく,無駄遣いの極み.(最上級の褒め言葉です>>続きを読む
無口で感情も乏しいのに、なぜかビンセントギャロが愛おしく思える。不思議な男である。
2004年の撮影とは思えない映像だった。作中、クリスチャンベールが痩せ細った裸でドストエフスキーの白痴を読んでいたが、全体的にドストエフスキー臭がすごい。この作品のために不眠症・絶食のサイコ野郎に仕上>>続きを読む
ニュージーランドで起きた実際の殺人事件から着想を得た作品であるが、ジョエルセリア監督自身がカトリック系学校へ通っていた頃の反発心が色濃く反映されている。
二人の少女に支配−従属関係をもたせることで、>>続きを読む
戦争によって引き裂かれた男女のはなし.日本の戦争映画であれば,永遠の愛みたいな陳腐なテーマにされがちだが,敗戦国イタリアの巨匠が,冷戦下のソ連を舞台にこれほどの美しい映画を撮ったというのは素晴らしい.
シンディーは優秀な学生で,医者という高い目標を持っていたが,妊娠してしまう.それでもディーンに愛され,娘を育てながら幸せな結婚生活を送ってきた.男はずっと変わらず娘と妻を愛していて,たまには夫婦二人だ>>続きを読む
ヒッチコック作品のような不協和音で始まるオープニング。60年代の車が行き交う都会で、交通事故で死体が転がっているのに無関心な町の人々。この不穏な空気感がゾクゾクします。
息子を溺愛する金持ちの未亡人>>続きを読む
50年代フランス、25歳のルイマルが初監督した犯罪恋愛映画。
ジャンヌモローが電話越しに「ジュテーム」と囁く場面から始まり、マイルスの即興演奏が入る。ヌーヴェルヴァーグ作品と言われる所以である。>>続きを読む
監督・脚本アレックスガーランドがアカデミー資格効果賞を受賞したイギリスのSF。
テーマは人工知能との恋愛は可能か、というもの。AIのエヴァはとてもメカメカしい身体ではあるが、表情や手の動き、言語能力>>続きを読む
スタンドバイミーを思わせる、4人のロケットボーイズ。
閉鎖的な炭鉱の町コールウッドで、宇宙を夢見る理系少年。そして炭鉱一筋で家族を養ってきた父親。終盤で息子から父へ感謝の思いと共に告げた台詞が、わざ>>続きを読む
淀川長治や宮藤官九郎も絶賛している北野武のキッズリターン。
夢に挫折した若者ふたりが自転車に乗りながら「バカヤローまだ終わっちゃいねえよ」というラストシーンが有名です。
ひとりはボクシングチャンピ>>続きを読む