人間の心の狭さをテーマに、時代の違う4つの物語が語られる。イントレランスとは「不寛容」という意味。
①現代アメリカ編
ストライキで失職した男女が出会い家庭を持つがジェンキンス基金事務局によって子供を奪われる。取り返す計画中殺人事件が起き、夫が死刑に…。
②中世フランス編
宗教の違いから起きたサン・バルテルミの虐殺を描く。
③イエス・キリスト編
ベツレヘムの大工の家に生まれた不寛容と闘う事になる例のお方の話。
④バビロン編
紀元前539年ベルシャザル王の時代。女神イシュタールの石像を運ぶ人の列。
王は尊敬を集めていたが、ベル神を崇める司祭は威信を取り戻したい為に 敵のキュロスと通じる。
「映画の父」と言われるD.W.グリフィス監督の傑作とのこと。
昨日観た「カビリア」と同じサイレントです。
長いので休み休み観ました。
4つの話と言ってもオムニバスではなく、同時に展開するので最初は戸惑いました。
アメリカ編とバビロン編に力が入っていると思いました。
と・く・に、バビロン編!
超弩級の壮大なセットとエキストラ。
城壁の高さ90メートル、長さ1200メートル。上で馬車がすれ違える広さがあるのがすごいです。
宮殿も広くてイシュタールやら象さんの像も遺跡を復元したかのように荘厳で立派です。
破壊された事の無いインガールベルの門
も重厚でした。
4つのうち3つが宗教絡みです。宗教自体が一番寛容を説かねばならないのに、いつの世も争いの火種になっている事に人間の業の深さを感じます。
クロスカットというんですか、場面が変わるんですけど、そこで現れるゆりかごを揺らす女性、この人が主演のリリアン・ギッシュとの事です。聖母マリアをイメージしているらしいです。
ラストに向けて4つの話が合わさって濁流になるような感じがありました。
またいつか見返したいです。