Jumblesoul

山河ありのJumblesoulのレビュー・感想・評価

山河あり(1962年製作の映画)
4.0
最初はハワイの観光映画かと思ったが、冒頭からアメリカの黒人のように日本人がこき使われるシーン。細かいところは史実と違う箇所があるのだろうけど、そこは木下恵介が企画した劇映画と割り切って観るべき。ドキュメンタリーじゃないんだから。
何よりも戦争と国籍、民族性といったものの複雑な関係について考えさせられる、大きなテーマを扱った事に拍手を贈りたい。松山善三監督と高峰秀子夫妻の素晴らしい共同作業による傑作と思うが、ソフト化も配信もされていないのが謎。
主演男優のはずの田村高廣が中盤であっさり亡くなったり、久我美子が亡くなるシーンが省略されるなど少し不満が残るが、終盤の次男役ミッキー・カーチスの素晴らしい好演が帳消しにした。
2世部隊が出征する時のBGMに能天気なハワイ音楽か流れるなど、不思議な演出もあった。
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