さすらい農場

一枚のハガキのさすらい農場のレビュー・感想・評価

一枚のハガキ(2010年製作の映画)
3.8
広島が生んだ巨匠 新藤兼人監督が、日本最高齢映画監督として98歳で撮った遺作

【戦友に託された一枚のハガキ】
戦争に翻弄された人々の、戦後の生き様

夫が戦死し、その弟と結婚してまた戦死され、独りぼっちになった女

復員したら、嫁と自分の父親が駆け落ちして逃げられていた男

泣くに泣けない踏んだり蹴ったり
生き延びたのは[運]が良かっただけ
死んだのは[くじ運]が悪かっただけ
人の運命は紙切れ一枚分の軽さなのか?

「生きんさい!」
踏まれて強く育つ[麦]になれ。
[やり切れなさ]の中に光るユーモアの温かさ。
ハングリーな時代を生き抜いた[昭和の説得力]が息づいている。
監督自身の従軍時代の貴重なエピソードを交えて語られる[ラストメッセージ]は、残された人々の[再生への願い]を込めた渾身の一作!

有田神楽団の八岐大蛇(ヤマタノオロチ)などご当地の伝統芸能も登場👍
郷土愛にあふれてる!