こんなに夢中になれる恋愛映画はきっと人生で数えるくらいしかないと思いました…!
列車の中で偶然出会ったフランス人のセリーヌとアメリカ人のジェシーは話しているうちに意気投合。ジェシーが降りる予定だったウィーンで一日だけ一緒に旅行することになります。
この映画の何がすごいって、劇中のほぼ全てが2人の会話で構成されていて、その言葉選びが素敵でユーモアに溢れていること。
恋や愛、神や宗教、生と死、男と女、人生について、彼らが語るありとあらゆる話に惹かれます。あまりに素敵な台詞が多すぎて覚えきれないくらい。
それから2人の絶妙な距離感。勢いでセリーヌは初対面の男ジェシーと一日を共にすることを決めてしまうわけですが、最初のぎこちなさや徐々に近づいていく距離、お互いに好意をのぞかせながらも恋人に満たない微妙な関係がとてもリアルなんです。彼らと同世代ということもあり、揺れる2人の心に共感しちゃいました。
2人が巡ったウィーンの各所で一番印象的なのは"名もなき者の墓"。初夏の茂る緑に囲まれた小さな墓前で死について語るシーンが儚い。
朝が来て旅が終わればセリーヌはフランスに、ジェシーはアメリカに帰らねばなりません。ローマの休日みたいに絶対的な身分が彼らを隔てるわけじゃなくても、距離は十分な障壁。一日限りの関係と割り切っていた2人の結末は見所です。
詩を読んでいるみたいな台詞の数々と、恋になる前のときめきが詰まった素敵な恋愛映画だと思いました。(*´꒳`*)