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泥の河のtravisのレビュー・感想・評価

泥の河(1981年製作の映画)
4.8
1981年製作された、小栗康平監督デビュー作であり、名作と呼ばれている作品。
原作は、宮本輝のデビュー作であり太宰治賞受賞作。
あまりにも有名なんだが、ソフト化がうまく運ばなかっったこともあり、2015年にリリースされたDVD-BOOKにて漸く購入。
そして、念願の観賞。
昭和30年代の大阪が舞台なんだが、戦後の貧しい生活環境の中、人々の触れ合い、子供たちの触れ合いが描かれている。
実際の撮影は、私の住んでいる名古屋の中川運河での撮影らしい。
田村高廣などの名優の演技も素晴らしいんだが、何といっても、子役三人が素晴らしい。
とうじの人々の心の触れ合い、助け合いの描き方も素晴らしいが、子供たちの純粋な関係性は今観ても信じられないほどの温かさ、切なさがある。
舟で生活している友達の姉が特に素晴らしい。
私はこの舞台のずっと後の時代の子供だが、かすかな名残の中で記憶として残っている。
スピルバーグ監督がこの作品に感銘を受けて、来日した際に小栗康平監督に会い子役への演出方法を訊ねたらしい。
今年は、元々内省的な作品も好きだから、そんな作品を見返してみよう。
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