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泥の河のmiのレビュー・感想・評価

泥の河(1981年製作の映画)
4.8
ずっと買うしかねぇかと思ってたやつ。
Netflixで見つけて思わず声出た。

もはや戦後ではない。と決めるのは、ざっくりした相対的な世の中の流れであって、その流れから取り残された人々の生活がここまでリアリティと説得力をもって描かれていたことに驚くしかなかった。戦争で死なずとも、あっさり潰える命の描写に痺れる。
ノブオ家族の温かさ。しかし、温かいだけでなく影もある。そのあたりのバランス感覚。
兎に角子どもたちの表情が素晴らしい。カメラを通して尚持ち合わせる圧倒的な説得力。
大人たちの事情に翻弄される子どもたちの成長譚としても素晴らしい。
きっちゃんの姉ちゃんの全て悟ってしまったかのような振る舞いと、暗さを湛えた表情の数々。
飲もうと思って飲めなかったジュース投げるところ、ワンピースの返却、天神祭での出来事、そしてラストシーン。

「姉ちゃん、わろてるなぁ。わろてるわ」
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