味噌汁

泥の河の味噌汁のネタバレレビュー・内容・結末

泥の河(1981年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

これはすごい映画だった。
昔見たとき以上になんとも切ない気分になる。
・不条理を体現するかのようなような芦屋雁之助の死に方
・戦争後10年、大人たちは傷を負いながらも生きようとし、子供たちは戦争を知らないながらも不条理を感じながら成長する
・雨の中現れた松本姉弟、船で暮らす彼らこそ戦後社会の底辺の象徴
・田村高廣の泣けるほど良い父親像、藤田弓子も素晴らしい母親像を演じていた(田村高廣は本当に170センチしかないのか?この家系はハンサムすぎる)
・加賀まりこのえげつない存在感
・銀子の空気感を出せる子役なんか今時分いるのか?儚い少女と注文したらそこに現れたかのような奇跡的な配役と思う(そしてその後なんの映画にも出ていない消息不明感がミステリアスさを増す。現実に存在した人なのか?とすら思う)。この子役はこの映画の中でも圧倒的に胸に残る存在だった
・団欒を期待してはいけない、まるで結末をわかっているかのような松本姉弟(特に銀子)の食卓での振る舞いに胸が苦しくなる
・米櫃が温いという銀子と、理解できないのぶお
・祭りの花火ときっちゃんの蟹の火の対比、目を逸らさない加賀まりこ
・船が去る中、呼びかけるのぶおと最後まで顔を出さない姉弟。銀子やきっちゃんの気持ちを考えて涙が出た
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