信雄と、川船で暮らす銀子との出会いは、まるで一瞬の夢みたい。
彼らの交流には、貧しさや社会の目とは別の、純粋な人と人とのつながりがあった。
でも、それは長くは続かない。
別れのシーンは、とても静…
きっちゃんとのぶちゃんの言葉なき心の交信、互いに通じた大きな悲哀が、いたく心に響いた。
お父さんもそれを少し、感じたのだろうな。
大人対子ども、というよりも、それぞれのなかで生きている世界そのもの…
終戦からそれほど経っていない大阪、貧困の中で少年たちが体験する切ない別れ。
加賀まりこが演じる娼婦の小舟が重要な舞台。
1980年代の製作ながら、あえて白黒で撮影された佳作です。
私は大阪が父祖の…
宮本輝の原作が持つ空気感を、
素直な演出で本質の芯まで描いている。
子供が走り、はしゃぎ、泣く。
「い~ち、に~い、さぁ~ん」という
関西弁の数字の数え方が微笑ましい。
冒頭の馬車…
「これは年に一回出会えるかどうかのすごいシーンだ...」と恐れ慄いちゃうような瞬間が何回も出てきた。
お母ちゃんが学校行きなと声を張り、お父ちゃんが寝とけと促すシーン。息子に甘いお父ちゃんやで。
…
悔しい。切ない。
小学生にこんなにも厭世観を与える、不幸を甘受させる戦争が憎い。
3人の子供が漸く煌めく刹那を過ごしても、子供の手に負えない世界の闇が立ちはだかる。
川。
階級を分断したり、心理…
子どもが見つめるリアリズムとファンタジー。陸に住む人と船に住む人の間にはゴミの漂う汚く臭い泥の河という大きな隔たりがあり、それは差別を象徴しているようだった。そんな蔑まれる彼らに寄り添うように河には…
>>続きを読む土佐堀川と安治川の合流地点、中之島六丁目付近が舞台で、以前近くに住んでいたことがある。そういえば確かに宮本輝の碑があったことも思い出したりしていた。原作は読んでいないが、喜一の宿船は湊橋の下に停泊し…
>>続きを読む木村プロダクション