ReoSakamoto

カイロの紫のバラのReoSakamotoのレビュー・感想・評価

カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)
4.3
映画への愛がふんだんに込められた、W.アレンの最高傑作に違いない。きっと。
プロットの素晴らしさは言うまでもないのだけど、映画ファンにとってたまらなく愛おしい作品のはず。

不幸な結婚生活、上手くいかない職場での日々に辟易し、癒しを求めて連日通う映画館のスクリーンから出てきた虚構の俳優との恋。夢のような話ですが、決して夢物語では終わらない。
映画に始まり映画に終わる、気持ちいい涙がつーと頬を伝う美しいラスト。

ミア・ファロー演じるシシリアを通して、映画のある人生の豊かさを再認識しました。
見れないものを見せてくれて、経験出来ないことをスクリーンの中で可能にしてくれる。知らないことに気付かされ、色んな考えが世界にあることを知る。
自分の生きる社会が全てじゃないと教えてくれる。
映画への愛情、感謝、優しさでいっぱいのこの作品、脳みそが幸福に浸かってメルトしそうな気分になった。

列に並ぶ恋人たち。1人もいいけど2人はもっといい。
映画館がいつまでも幸せな場所であってほしい!
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