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カイロの紫のバラのsasaのレビュー・感想・評価

カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)
4.0
キャッチーな題材、メタ構造を丁寧に織り込んだ脚本を、軽妙洒脱なウディ・アレンのセンスで軽やかにまとめる。トム・バクスターが現実世界に飛び込んでくるシーンは実に鮮やか!

人は虚構には生きられず、現実を選ぶしかない。嘘も裏切りもある世界で生きていくしかないという残酷で苦々しいエンディングながら、だからこそ虚構が虚構として救済になりうるのだという事実を、あるいは監督自身の矜持として、最後の最後に提示する。
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