似太郎

カイロの紫のバラの似太郎のレビュー・感想・評価

カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)
4.7
🎥ウディ・アレン監督らしいエスプリの効いた大人向けファンタジー。ある意味で『ラムの大通り』の女性版だっちゃ。苦しい恐慌時代に於いて【夢見る力】と【生きる力】を描いたほろ苦い一編となっている。

主演の薄幸なウェイトレスを演じるミア・ファローがサイレント映画の主人公(ジェフ・ダニエルズ)に惚れて映画の世界に吸い込まれるという奇妙な設定。同監督の『ミッドナイト・イン・パリ』にそっくりだっちゃ。

夢と現実の境界線が付かなくなる人を描いた映画は数あれど、ウディ・アレンは些かアイロニカルな視点を導入して当時の【映画マニアの生態】を割と客観的に描いているっちゃ。マーティン・スコセッシの描くオタク像にも近い突っ撥ねた批評性が冴えているっちゃ〜。(笑)

巧妙な脚本で破綻なく進むからやや物足りなさも残るのだが、映画の夢と希望を信じるウディ・アレンのスタンスには大いに共感できるっちゃ。何よりもこの監督が描く凛とした女性像がニューヨーカーらしい洗練された雰囲気でとても進歩的だっちゃ。ダーリンの描写も節度があり巨匠の風格がある。

最近なんでおれはラムちゃん語を話しているのか理解不能なのだが、とにかくこの手の【ドリーマー】な人達を描いた映画には弱いっちゃ。ウディ・アレンにはもっとこういうオシャレな映画を撮らせてあげて欲しいっちゃ〜!!😗
似太郎

似太郎