魂に触れる演奏というのは自らの魂を捧げ狂気に向かって走り出すということなのか。
あまりにも純真で真っ直ぐにピアノを愛しすぎた故、精神のバランスを崩してしまった実在のピアニストの話。
厳しい父の愛情が才能への嫉妬に変わり彼を苦しめる。
父の愛情は歪んでいたが家族を必死に守ろうとする時代背景を考えると彼ばかりを責められない。
ラフマニノフの第3番の演奏シーンは圧巻。
正気と狂気の狭間で奏でられる音は上手いというより恐怖を感じる。
紆余曲折あっても彼がまわりの人に恵まれ愛されていたことに違いはない。
最後の演奏シーン、母や姉妹も聴きにきていてほっとした。
きっと不器用ながらも誰よりも彼を愛していた父にも演奏は届いただろう。
おやすみ、ラフマニノフ。