品川巻

シャインの品川巻のレビュー・感想・評価

シャイン(1996年製作の映画)
4.4
2回目の鑑賞。
後半は相変わらず最最最最高(熊蜂の飛行の演奏シーンは音楽映画の中でもトップレベルに好き)なんだけど、記憶していたよりもモラハラパパが嫌なやつで、前半はずっと辛かった...

モラハラの行動原理は、「"自分との世界"以外を知る機会を消す」ことが基本だけど、この父親も大いに当てはまる。
ピアノで息子を縛った癖に、その成長すら妨げて常に自分の手元に置いておこうとする最悪親父なんだけど、そんな人でもデイビッドにとっては1人の父親で、何をされても心のどこかでは「期待に応えたい」と思い続けている健気さに心が痛む。
親子が固執し続け、この映画の核ともなっている名曲「ラフマニノフ」。父親からの歪んだ期待によって生み出された名演は、皮肉ながらこの映画を素晴らしいものに押し上げてくれている。
品川巻

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