みり

シャインのみりのレビュー・感想・評価

シャイン(1996年製作の映画)
2.5
執着がキーワードなのだろうか

父と主人公だけではなく、どのキャラクターにも執着が感じられた。

主人公は父親に気に入られたいという執着
父は音楽家になりたかったという思いと息子という自分の"作品"を手放したくない執着
音楽院の師匠はラフマニノフを作曲家の前で弾いて賞賛されたという執着

ポジティブとネガティブの執着が人物を通して見られた。

主人公は幼少期、青年期、現在と3人の役者によって演じられている。現在の主人公を演じたジェフリーラッシュはアカデミー主演男優賞を受賞したが、これは彼1人だけの賞ではない。3人で一貫して、1人の人間の心の変化を演じることができたからこその賞だと考える。

主人公のデイヴィッドは一見すると奇人だが、そうではない。
過去にあった出来事が彼の心に影を落としたり光を与えたりしている様子が役者の機微な目の陰影、そして物語の構成から推察できる良い作品であった。
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